なぜ、教養を身につける必要があるのか理由を知りたい。
教養を身につける方法も知っておきたい
こんな疑問にお答えします。
教養を辞書で調べると「学問・知識をしっかり身につけることによって養われる、心の豊かさ」という意味なのですが、ピンときませんよね。
結論からいうと、教養を学ぶべき理由は「抽象化を学ぶため」です。
「具体と抽象」をスイスイと往復できる人=教養があるということです。
細谷功さんの名著『具体と抽象』を参考にしながら、詳しく説明していきますね。
教養を身につけるべきたったひとつの理由
すでに述べましたが、結論からいうと、教養を学ぶべき理由は「抽象化を学ぶため」です。
「抽象化を学ぶため」という言葉を深掘りしていきます。
教養を身につけるべき理由は「抽象化を学ぶため」
教養を身につけるべき理由を端的に表現すると「抽象化を学ぶため」です。
「抽象化」とは「具体的なことから共通項をみつけて、構造化」する行為です。
例えば、マグロ・イワシ・アユ(具体名)は「抽象化」すると魚(抽象)になります。
なぜ、「抽象化を学ぶこと」が教養を身につける理由になるかというと、「抽象化」を通して「他の分野にも応用可能な一般法則を扱える」ようになるからです。
例をあげると、先ほどの【(魚の具体名)→(魚に抽象化)】を理解できると、【(犬の具体名)→(犬に抽象化)】もできるよなと、他の分野でも「抽象化」できるということが理解できます。
(いわゆる、メタ認知力が向上するということです。)
このような「抽象化を学ぶこと」が教養を身につける理由です。
教養とは「具体と抽象」を往復できる能力
「抽象化」を扱えるようになると、物事の本質をつかむ能力がアップします。
なぜなら、個別の「具体的なこと」から特徴を抽出して、要するにどういうことか?という物事の核心を突けるからです。
例えば、ニュートンがみつけた万有引力の法則も、「リンゴが木から落ちる」という具体的な事例から、「地球には引力が働いている」という一般法則を導き出しました。
このように、「具体と抽象」をスイスイと往復できることが、教養を身につけた状態になります。
教養を身につけると見える世界が変わる話
教養が身につく(=「具体と抽象」をスイスイと往復できるようになる)と、いつも見ている世界が180°変わって見えます。
なぜなら、世の中の大量の具体例から、重要な特徴を抽出して「抽象化」できるようになることで、応用可能な新しい法則を手に入れることができるからです。
SHOWROOM社長の前田祐二さんのベストセラー『メモの魔力』(Amazonに飛びます)でも、「ファクト→抽象化→転用」というフレームワークが紹介されています。
このフレームワークを言い換えると、「具体→抽象→応用」になります。
自分が体験した具体事例(ファクト)を抽象化して、他のことに応用することで、自分の体験や知識をいつでも使える武器として保存しておけます。
つまり、教養を身につける=人生の武器を手に入れるということになります。
体験や知識は人によって異なるので、自分だけの武器を身につけて強みをたくさん作っていけると人生勝ち組に近づきますね。
教養を身につける方法【今すぐできる方法をご紹介】
では、教養はどのように身につけるのか?
こちらが、今すぐ始められる方法です。
教養を身につける前に読む本【インプット前に読んでおくと吉】
教養を身につける=「具体と抽象」をスイスイと往復できるようになるでした。
スイスイと往復するためには、「具体」と「抽象」とは何か?という違いを理解する必要があります。
そこでおすすめのバイブル的1冊がこちら。
「具体」と「抽象」の理解におすすめな1冊『具体と抽象』
本書の内容説明
永遠にかみ合わない議論、ヘイトスピーチ、ネットでの炎上。その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から検証。具体的言説と抽象的言説のズレを四コマ漫画とシンプル図解で表現。
タイトルの通り、「具体」と「抽象」を理解するための本です。ビジネスコンサルタントの細谷功さんが執筆した、「具体」と「抽象」に関するバイブル的名著です。
118ページとボリュームも多くなく、4コマ漫画や図をふんだんに使っているため、とても読みやすい良著です。難しい構造を「具体」と「抽象」を用いながらわかりやすく解説してくれています。
まずは絶対に読んでおきたい1冊と言えます。
次に読むべきは、教養とは何か?を知ることです。教養の正体を知るために読むべき本はこちら。
ビジネス界随一の読書家による教養論『人生を面白くする 本物の教養』
本書の内容説明
教養とは人生における面白いことを増やすためのツールであるとともに、グローバル化したビジネス社会を生き抜くための最強の武器である。その核になるのは、「広く、ある程度深い知識」と、腑に落ちるまで考え抜く力。そのような本物の教養はどうしたら身につけられるのか。六十歳にして戦後初の独立系生保を開業した起業家であり、ビジネス界きっての教養人でもある著者が、読書・人との出会い・旅・語学・情報収集・思考法等々、知的生産の方法のすべてを明かす!
「本の虫」としても有名なライフネット生命創業者の出口治明さんが、人生を面白くするための教養論を語っています。
「人・本・旅」が自分という人間の「タテ(歴史)・ヨコ(空間)」の中で占めるポジションについて認知することを助けれくれると言っています。
1万冊以上の本を読み、世界を旅して、60歳を超えてライフネット生命を創業した、鬼才の教養論を読んで「教養とは何か?」を学びましょう。
さて、「具体」と「抽象」、「教養とは何か?」を理解できたら、最後は「教養を身につける行動」を取るための方法を知りたいですよね。
上で紹介したSHOWROOM社長の前田祐二さんの著書に、今日からできるアクションが載っていますのでおすすめです。
メモの魔力で教養も身につけられる『メモの魔力』
本書の内容説明
僕にとってメモとは、生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いていない「本当のメモの世界」へ、ようこそ。
いつでもどこでもメモを取ることで有名なSHOWROOM社長の前田祐二さんによるメモ論。ただし、メモ論にとどまらずメモを「ファクト→抽象化→転用」まで昇華させ、メモを通じて人生を変える方法まで紹介しています。
「ファクト→抽象化→転用」=「具体→抽象→応用」と考えながら、読んでいただくことでメモを通して「抽象化とは何かを学ぶ(=教養を身につける)」ことができると思います。
「要するに」と「何が言いたいのかというと」を口ぐせにする
本を読むことと並行して、今からできることは口ぐせを変えることです。
- 「要するに」:抽象化して要約するようになる
- 「何が言いたいのかというと」:抽象化して結論を導き出す
上の2つを口ぐせにすることで、具体的に生きる毎日を少しずつ抽象化していきましょう。
- 「説明がながくて相手に伝わらない」
- 「結局何が言いたいのかわからなくなる」
- 「話がまとまらない」
こんな悩みを持っている人は「要するに」と「何が言いたいのかというと」を口ぐせにするだけで、少しずつ「結論」や「要点」を意識して話せるようになります。
「抽象化」がうまい人の特徴として、「言いたいことは3つあって、1つ目は〜〜で2つ目は〜〜で3つ目は〜〜です。一番伝えたいことは〜〜です。」という話し方をしている人が多いです。
日常から口ぐせを変えてみると思考まで変わっていきますよ。
人に何かを教える立場になってみる【教える方が学びが多い】
「抽象化」を身につける方法として、一番おすすめなのが「誰かに何かを教える立場になってみること」です。
なぜなら、人に何かを教えるということは、「どうすれば分かりやすく伝えられるか」を意識して教える内容を考え、教えた後に相手からフィードバックをもらうことができるからです。
『アウトプット大全』という20万部を突破したベストセラーの中で、著者の精神科医の樺沢紫苑さんは「最強のアウトプット法は教えることである」と述べています。
『アウトプット大全』のなかである実験結果が紹介されています。
アメリカ国立訓練研究所の研究によると、「他人に教えた経験」は記憶の定着に最も効果があるという研究結果が出ているのです。
例えば、趣味に関する交流会を主催して、自分の好きなものをプレゼンしたり共有しあったりするなど、小さくても良いので他の人に教えるような機会を作ってみましょう。
誰かに自分だけが知っている話を分かりやすく伝えるのは、想像以上に難しいのですが、わかってもらえた時の喜びは大きいですよ。
「抽象化」を身につけるためには誰かに教えるということが一番学びになると思います。
教養を身につけて、世界をみるための新しいレンズを手に入れましょう。
ではでは。