「WEBで検索してみたけど詳しく分からなかった。」
「説明はいいから、実際の方法と費用を教えてほしい。」
「英語ができない私でも、設立可能ですか?」
こんなことを感じたあなたへ。
「香港 法人開設」でググってみても、メリット・デメリットの説明ばかりで詳しい内容について書かれているサイトが少ないですよね。
24歳で学生の僕が、実際に香港で法人設立(設立日:2018年5月11日)と口座開設した経験を、詳しくご紹介します。
口座はOCBC Wing Hang Bankで作ったのでHSBCで開設をしたい方は他の記事をご覧ください。
※ペーパーカンパニーではないため、ペーパーカンパニーの設立を検討している方には向いていません。香港でのペーパーカンパニー設立は本当に厳しい状況です。
※実際に僕がおこなった方法のみを記載するため、他の方法については分からないこともあります。代行業者の方に直接聞いてみてください。
〜法人設立編〜
⓪設立までの流れ
実際、僕が設立完了までにかかった期間としては、以下になります。
日本で法人を所有していないため、比較できませんが、日本ではおよそ1ヶ月ほどで完了すると耳にしたことがあるので、日本よりは長期になります。
余裕をもって時間を見積もっておいたほうがいいと思います。
①代行業者えらび
人によりますが、香港での法人設立には大方、代行業者が必要になります。
基本的に法人設立までは全て代行業者がやってくれるので、設立費用の送金と、必要情報や必要書類の送付だけで、日本にいながら法人設立まで完了してしまいます。
僕は香港に法人を持っている先輩起業家の方から、代行業者をご紹介いただいて開設を依頼しました。
日本人の担当者の方が丁寧に対応してくださったので、不自由なく法人設立まで進めました。
実際に依頼をするまでに、メールでのやりとりとスカイプでの電話MTGを2回ほど重ね、信頼できそうだと確信して依頼しました。
「なぜ、設立をしたいのか?どんな事業を行いたいのか?」は聞かれますので事前に考えておきましょう。
※ペーパーカンパニーの法人設立は行っていないそうです。
②初期設立費用
初期設立費用として代行業者の方にお支払いした金額がこちら。
日本円で大体408,800円ほどです。
毎年の更新費用は、HK$6,555(93,700円ほど)になります。
香港では、事業登録証明書の有効期限が1年となっているため、1年毎の更新が必要になります。
※この更新費用は会社を休眠させていても掛かります。
③海外送金
初期設立費用を支払う際には、香港への国際送金をする必要があります。
国際送金のやり方についてはこちら。
④必要情報の提出
法人設立にあたって事前に決めなければならないことがあります。
会社名
※会社名が被ると申請できないため、事前にこちらのサイトで社名が使われていないか確認しておきましょう。
※末尾に「Co., Ltd.」「HK Limited」「Limited」などをつけるのが慣例となっています。
代表者
※ノミニー制度(第三者名義で登記できる制度)利用可
株主
※ノミニー制度(第三者名義で登記できる制度)利用可
メールアドレス・携帯番号
発行株数
資本金
※HK$50,000(715,000円ほど)以上
業務内容
これらの内容を事前に考えておき、代行業者へと伝えます。
代行業者はこれらの情報をもとに、設立申請書類を作成します。
⑤必要書類の提出
設立に必要な書類は2点のみです。
【こちらが用意するもの】
パスポートのコピー
住所証明のコピー
※英文での証明が必要になるため、僕は国際運転免許証を利用しました。
これらの書類をメールで代行業者へと送ります。
【代行業者が用意するもの】
上記の書類と必要情報を代行業者に送ると、下記の書類を作成してくれます。
法人登記の必要書類
※「ARTICLES OF ASSOCIATION OF 社名」の書類が送られてきます。
こちらの書類のサイン箇所、全てにご自身のサインをして香港へと送付します。(2部作成)
サイン箇所が多くて手が疲れます。
⑥カンパニーキット
法人登記に必要な書類を提出してから1週間〜2週間ほどで法人登記が完了します。
登記完了後は代行業者のもとにカンパニーキットと呼ばれる、定款やカンパニーチョップ(社印)、CR・BRなどが封入されたものが届きます。
これで、法人設立が完了です。
オンライン上で自社の状態(Active Status)をチェックしてみると、このようにLiveと表示されるはずです。
思っていたよりもあっさりと完了するため、あまり実感が湧きません。
僕は2018年5月11日に登記が完了しました。
〜口座開設編〜
⓪開設までの流れ
実際、僕が設立完了までにかかった期間としては、以下になります。
法人口座の開設までは代行業者のおかげで、日本にいながらサクサク進められたのですが、口座開設に時間を要してしまいました。
特に、英語面接は平日に香港まで足を運ばないといけないため、スケジュールを合わせるのが難しかったです。
英語面接から審査結果が出るまでにも時間がかかるため、心配な方は2,3銀行の面接を一気に受けたほうがリスクヘッジできるかと思います。
①口座開設の申請
まずは開設したい銀行を選びます。
僕の場合はHSBCを筆頭に、恒生銀行、中国銀行、スタンダードチャータード、OCBC Wing Hang Bankなどの候補から選びました。
結果としてOCBC Wing Hang Bankで法人口座を開設することができました。
OCBC Wing Hang Bankは、OCBC Bankというシンガポールを本社とする銀行が、香港のWing Hang Bank(1960年創業)を買収してできた銀行になります。OCBC Wing Hang Bank香港・マカオ・中国に100以上の支店を持っており、親会社のOCBC Bankは世界18カ国、580支店を持っている、東南アジアで2番目に位置する銀行になります。
オンラインバンキングも使用できるため、どこにいても海外送金の申請などが可能です。
HSBCと比べて知名度こそ劣りますが、東南アジアでは力を持っている有名な銀行です。
実は、HSBCにも申請を出したのですが、書類審査の段階で落ちてしまいました。。。
今後、機会があればもう一度トライしてみたいと思います。
②必要書類の提出
開設を希望する銀行が決まったら、申請の書類を提出する段階へと移ります。
この申請書類の数がとても多いため、気持ちが折れそうになります。笑
粘り強く取り組み、銀行から追加の資料を求められても快く引き受けることがポイントです。
【申請に必要な書類】
法人登記資料
※カンパニーキットに納めてあるBR, CRなど
CV(英語)
直近3ヶ月の個人口座明細
個人口座の残高証明(英語)
既存クライアントとの取引実績(英語翻訳)
※請求書・契約書などのコピー
ビジネスプラン及び事業計画書(英語)
※PowerPoint, keynoteなどで作成
※今までの実績、事業内容、ビジネスモデル、直近1年の売上・費用予想など
在職証明書(英語)
※会社発行の在職証明書
OCBCからの質問(英語)への回答
質問項目はこちら
法人に関する基本情報から香港での事業内容、売上予想など細かく回答していきます。
長文での記載は必要なく、端的に答えることがポイントです。
以上になります。
書類数が多く、英語での提出となるため作成や申請に手間がかかります。
代行業者に提出をしてもらい、OCBC側からのOKが出れば次の英語面接へと進めます。
※HSBCはオンラインで上記の資料を提出した後に、担当者から電話を受け、いくつかの質問に英語で回答することになります。
③香港での英語面接
日本人にとって一番の難関ポイントが英語面接です。
指定した日に香港に訪れ、担当者との英語面接を行います。
(服装はビジネスライクな格好で向かいましょう。)
【英語面接に必要な書類】
パスポートの原本
国際運転免許証の原本
Incorporation Document
※カンパニーキットに納められています。代行業者の方から受け取るか持参しましょう。
既存クライアントとの契約書・請求書(英語)
【英語面接の内容】
法人口座を開設するため、個室での英語面接が行われます。
担当者の方と簡単な挨拶を交わした後に、面接へと移っていきます。
[ 面接のステップ ]
⑴持参した書類の提出
上記の資料を担当者の方にお渡しします。
担当者から、必要な書類を指定されるので一つ一つ提出しましょう。
⑵担当者からの質問へ応答
ここが一番の勝負どころです。
※英語がさっぱりという方へ
正直、英語が全くできない方には英語面接は厳しいです。
独学や留学などでスピーキングとリスニングを練習してから臨むことを強くオススメします。
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僕も3ヶ月フィリピンのセブ島で英語留学をした経験があり、この3ヶ月があったおかげで英語面接に受かったと言っても過言ではありません。
留学前はTOEICは450点ほどで、留学最初のテストでは一番下のクラスに入りました。笑
【面接で聞かれた内容・話した内容】
提出したビジネスプランの資料をもとに、
・どんなビジネスを展開して行くのか?
・ビジネスプランを達成できる根拠はあるのか?
・事業内容の詳しい内容
・なぜ、OCBCを選んだのか?
・なぜ、香港でビジネスを行いたいのか?
といった質問に回答していきます。
特に、事業内容について突っ込まれました。
面接の終了後に、事業に関するステークホルダーとのやり取りを証明するメールを英語翻訳して送ってくださいとまで言われました。
ちなみに、僕の担当者は2017年に新卒でOCBCに入社した、1歳下の方だったので話がサクサクと進み、面談がやりやすかったです。笑
⑶セキュリティデバイスと銀行資料をもらう
面談が終わると2段階認証のためのセキュリティデバイスと、OCBCの法人口座に関する資料(英語・中国語)をもらえました。
通常、「セキュリティデバイスを渡す=審査通る可能性がとても高い」ということらしいです。
セキュリティデバイスに関しては、のちに必要となるため、無くさずに保管しましょう。
④資本金等の送金
面談から3週間以内に審査結果のメールが届き、無事開設できたか分かります。
開設完了のメールには、口座番号と資本金入金の案内が記載されています。
ご自身の法人口座に初期に設定した資本金+手数料を送金しましょう。
この送金が完了するとOCBCから、指定した住所にオンラインバンキングのアクティベートに関する資料が届きます。
⑤口座アクティベート
上記で送られてきたアクティベートの案内資料に基づいて、電話でオンラインバンキングのアクティベートを行います。
電話は全て英語で行われ、手元にあるアクティベートPIN番号を入力または口頭で伝えることで、アクティベートが完了します。
その後、インターネットでビジネスアカウントでパスワードを設定してログインをして、アクティベートができているか確認します。
⑥デビットカード
ここまで完了したら、法人口座はオンラインバンキングで使用可能になります。
お疲れさまでした。
アクティベートが完了してから1ヶ月ほどで法人のデビットカードが届くそうです。
僕はVISAを選択しました。受け取るのが楽しみです。
これで法人口座の開設手順は終了です。
おわりに
かなり長くなってしまいましたが、僕の香港での法人登記・法人口座開設の流れをご説明しました。
香港では、日本での職務経験も浅く、まだ大学生である僕が法人登記をしにきたのかと、驚かれました。(依頼をした代行業者の中では最年少だったそうです。みなさんに心配をされながらもなんとか開設できました。)
巷ではいろんな噂が囁かれていますが、24歳の大学生でもできたということは、みなさんもできるはずです。
実業として事業を行えば、低い法人税の恩恵なども受けられますので、香港法人及び口座の登記・開設を検討している方はトライしてみてください。
※注意事項
今回の記事では香港法人登記をおすすめしている訳ではなく、あくまでも自身の体験記として書いておりますので、情報が古くなっていることや、担当者によって対応が変わることもあります。トライしてみる方は自己責任でお願いします。